はじめに:きっかけ
2019年に三井住友銀行で住宅ローンを組んだ。当時は迷わず変動金利を選んだ。金利は0.475%くらいで、固定にする理由が見当たらなかったからだ。
それから7年。2026年7月現在、自分の変動金利は1.275%になっている。0.475%から1.275%へ、約1.7倍に上がった。月々の返済額はまだなんとかなる範囲だけど、「このまま上がり続けたらどうなるんだろう」と不安になり、真剣に調べ始めた。
残債は約3500万円。あと28年返済が続く。この条件で、「変動のままいくべきか、固定に変えるべきか」を徹底的に検討した記録を残しておきたい。
まず整理:自分の現在の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入先 | 三井住友銀行 |
| 金利タイプ | 変動金利型 |
| 借入時期 | 2019年 |
| 借入時の金利 | 約0.475% |
| 現在の金利(2026年7月) | 1.275% |
| 残債 | 約3500万円 |
| 残返済期間 | 約28年 |
2019年当時は「変動金利一択」という空気が強かった。ネットでも「変動で十分」「固定は高い」という意見が多かったし、実際に0.475%ならそう思うのも無理はない。
でも状況は変わった。2024年3月にマイナス金利政策が解除され、日本銀行が段階的に利上げを進めている。2026年6月の金融政策決定会合では、政策金利の誘導目標が1.0%程度とされた。今後も経済や物価の状況に応じて利上げを続ける方向性が示されている。(出典リンク:日本銀行)
金利はどう変わってきたか
三井住友銀行の変動金利の推移を調べてみた。(出典リンク:ダイヤモンド不動産研究所)
| 時期 | 適用金利(変動・WEB申込) |
|---|---|
| 2023年7月〜2024年9月 | 0.475% |
| 2024年10月 | 0.625% |
| 2025年4月 | 0.925% |
| 2026年3月 | 1.175% |
| 2026年4月以降(現在) | 1.275% |
見てわかる通り、2024年のマイナス金利解除を境に、変動金利は段階的に上がっている。そして、これはまだ上がる見通しだ。
モゲチェックの分析によると、2026年8月から11月の間に各銀行が年0.25%程度の金利引き上げを行うと予想されている。メインシナリオでは、0.25%刻みの緩やかな利上げが続き、年内に政策金利1.25%、2027年頃には1.5%を目指す流れとされている。(出典リンク:モゲチェック)
リスクシナリオとして、円安や原油高が深刻化すれば、政策金利が2%を超える可能性も否定されていない。
実際にシミュレーションしてみた
残債3500万円・残28年(336回)の条件で、いくつかパターンを計算してみた。
パターンA:変動金利のまま(現在1.275%・上昇なしと仮定)
- 月次返済額:約124,000円
- 総返済額:約4,164万円
- 利息総額:約664万円
パターンB:変動金利が0.25%上昇(1.525%になった場合)
- 月次返済額:約128,000円(+約4,000円)
- 総返済額:約4,302万円
- Aとの総額差:+約139万円
月々4,000円ならまあ許容範囲……と思える。でも、これが積み重なると28年で約139万円の差になる。
パターンC:変動金利がさらに上昇(2.0%になった場合)
- 月次返済額:約136,000円(+約12,000円)
- 総返済額:約4,574万円
- Aとの総額差:+約410万円
月々12,000円の増額はかなり響く。総額で約410万円の差は大きい。
パターンD:三井住友銀行で固定金利特約10年に変更(3.50%)
- 月次返済額:約164,000円(+約40,000円)
- 総返済額:約5,495万円
- Aとの総額差:+約1,332万円
今の変動金利1.275%と固定金利3.50%の差は2.225%もある。月々約40,000円多く払うことになる。これはかなり痛い。
パターンE:フラット35へ借り換え(3.14%・諸費用100万円含む)
- 月次返済額:約161,000円(+約37,000円)
- 総返済額:約5,416万円
- Aとの総額差:+約1,252万円
フラット35の金利は3.14%と、三井住友銀行の固定特約より少し低い。(出典リンク:フラット35金利情報)ただし借り換えには諸費用(事務手数料、印紙税、抵当権設定費用、司法書士報酬など)がかかる。3500万円の借り換えなら、諸費用はおおむね80万〜100万円程度が目安だ。(出典リンク:住宅金融支援機構)
損益分岐点はどこにあるのか
ここが一番知りたかったポイントだ。「変動のままいく」と「固定に変える」が逆転する金利はどこにあるのか。
計算してみた結果:
- 固定金利特約10年(3.50%)に変えた場合:変動金利が約3.50%に上昇した時点で、固定に変えたほうがお得になる
- フラット35(3.14%)に借り換えた場合:変動金利が約3.40%に上昇した時点で逆転する
つまり、現在の変動金利1.275%からあと約2.2%ポイント上昇しないと、固定に変えるメリットが出ないということだ。
メインシナリオ(0.25%刻みの緩やかな利上げ)でいけば、1.275%→3.50%まで到達するには、あと約9回の0.25%利上げが必要になる。1年に2〜3回の利上げと仮定すると、3〜4年以上かかる計算だ。
三井住友銀行で金利タイプを変える場合の手続き
調べてみると、意外とシンプルだった。
三井住友銀行では、変動金利型から固定金利特約型への変更が可能だ。手続きはSMBCダイレクト(インターネットバンキング)または窓口でできる。(出典リンク:三井住友銀行)
手数料は次の通りだ。
- インターネット(SMBCダイレクト):無料
- 窓口:16,500円
ネットで手続きすれば無料なので、コスト面の心配はほぼない。固定金利特約型には2年・3年・5年・10年・15年・20年の6種類があり、一定期間だけ金利を固定できる。(出典リンク:三井住友銀行)
ただし、固定金利特約期間中は変動金利への再変更はできない。期間終了時に、再度固定金利特約型を選ぶか、変動金利型に戻すかを選べる。
一方で、別の金融機関(フラット35など)に借り換える場合は、新規審査が必要で、諸費用もかかる。三井住友銀行の公式情報でも「一般的には、残りの返済期間で10年以上、ローン残高で1,000万円以上ある場合に、借り換えメリットがある」とされている。(出典リンク:三井住友銀行)
自分の場合、残期間28年・残債3500万円なので、条件はクリアしている。ただ、メリットが出るかどうかは別問題だ。
5年ルールと1.25倍ルールの確認
変動金利には守りがあることを改めて確認した。
- 5年ルール:返済額の見直しは5年に1度
- 1.25倍ルール:見直し時の返済額は、変更前の125%までが上限
2019年に借り入れた場合、最初の返済額見直しは2024年頃ということになる。すでに一度見直しがあったはずだが、月次返済額の上限は当初の1.25倍に抑えられている。
ただし、注意点がある。このルールは「月次返済額」の上限であって、「金利」の上限ではない。金利が上がり続けると、返済額の内訳の利息割合が増え、元金の減りが遅くなる。結果として、後半の返済期間で一気に返済額が跳ね上がるリスクがある。
今の状況で固定に変えるべきか、変えないべきか
変動のままいく根拠
- 金利差がまだ大きすぎる:変動1.275% vs 固定3.50%。2.2%以上の差があり、今変えると月々約40,000円多く払うことになる
- 損益分岐点がまだ遠い:変動金利が3.50%に到達するには、メインシナリオでも3〜4年以上かかる
- 5年ルールの保護がある:返済額は5年ごとの見直しで、最大でも1.25倍まで
ただし、油断はできない
- 2019年から7年で1.7倍に上昇した:0.475%→1.275%。このペースが続けば、思ったより早く損益分岐点に近づく
- リスクシナリオでは政策金利2%超も:円安や原油高が深刻化すれば、利上げペースが加速する可能性がある
- 固定に変えるタイミングを見極める必要がある:変動金利が2.5%を超えたあたりで、本格的に再検討すべきだと感じている
自分の結論
今は「変動のまま」でいく。ただし、変動金利が2.0%を超えたら、真剣に固定への切り替えを再検討する。
理由は単純だ。今の1.275%と固定3.50%の差は2.2%以上あり、この差が埋まるまでは固定に変えるデメリットのほうが大きい。月々約40,000円を28年間払い続けるのは、総額で約1,332万円の追加負担になる。さすがにそれは多すぎる。
一方で、「変動は永遠に安い」という前提はもう崩れている。2019年から7年で1.7倍になった事実を忘れてはいけない。
同じように悩んでいる人へ
もし「変動金利で借りているけど、固定に変えるべきか迷っている」という人がいたら、以下のステップをすすめたい。
- 自分の現在の適用金利を確認する:インターネットバンキングやローン明細で確認できる
- 残債と残期間を把握する:三井住友銀行ならアプリでいつでも確認できる
- シミュレーションする:銀行のシミュレーションツールやフラット35のシミュレーターを使う
- 損益分岐点を知る:変動金利がどこまで上がれば固定と同額になるかを計算する
- 金利見通しをチェックする:日銀の金融政策決定会合の動向を定期的に確認する
そして最も大切なのは、「どちらが得か」ではなく「どちらが自分の家計に合っているか」で判断することだ。
毎月の返済額が少し上がっても平気な余裕があるなら変動のままでもいい。逆に、今後の教育費やライフイベントで支出が増える見込みがあるなら、固定にして返済額を固定する安心感も価値がある。
私の場合は、今は変動でいくことにした。でも、半年ごとの金利見直しのたびに、この判断が正しいかどうか、見直し続けるつもりだ。
参考にした情報源
この記事は、自分の住宅ローンを見直すために確認した公開情報をもとにまとめた。


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